メルマガバックナンバー #011
===================================================================== 落語探偵団通信 Vol.011 2011年8月13日 ===================================================================== ●まくら 残暑お見舞い申し上げます。 暑い日が続いていますね。 皆さん、体調の方はいかがでしょうか?? ⇒《目次(番組表)》──────────────────────── 今回のメルマガの目次です。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃・探偵団メンバーに聞きました。「扇子について」 ┃・「第3回 調査報告会という名の落語会」開催決定! ┃・編集後記 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ⇒《「扇子について」の聞き取り調査》──────────────── ───── 今年は例年に比べ節電ということで、街や駅で扇子を開いてパタパタとや っている人の姿が増えたような気がします。 かく言う私も通勤時にはバッグに扇子を入れていて、移動中などに使ったり しています。 この扇子ですが、使っているうちに閉じた姿が不格好になったり、シーズ ンオフになるとどこにしまったのか分からなくなってしまい、翌年にはまた 買い直したりしています。 消耗品かと言うと、確かにそうですが、あまり安いのは宜しくないですね。 それではこれら扇子を商売道具にしている噺家さんは、さぞ多くの扇子を 消費していることだろうと、探偵団メンバーにその実態を聞いてみたとこ ろ、とても意外な回答が集まりました。 Q1.扇子の寿命はどれくらいですか? 年間何本くらい消費しますか? − 年に1本。1年は持ちます。 − ここ数年、ずっと一本を使っています。 − 年に3、4本 この回答には驚きました。 理由を尋ねると、「ほとんど開いて使うことがない」ということでした。 納得。 ただし、「小言念仏」と「船徳」をやると扇子の消耗が早いようです。 確かに「小言念仏」では扇子を使って、木魚を叩く仕草があります。 この演目のための専用の扇子を用意している人もあり、中にはその扇子が途 中で壊れないように要(かなめ)のところを針金で固めている師匠もいるそ うです。 一方、「船徳」は何故だろう?・・・・・ 新作落語をやる率の高いメンバーからは「そもそも扇子を使う所作が少な いので壊れない」という回答もありました。 Q2.扇子の入手先は? − 真打昇進や襲名披露の際に配られるものを使っています − もらいもので賄っています あいにく、落語協会では今年の真打昇進が無いようですが、平均して年間 に4、5人の新真打が誕生するとなると、年間この程度の消費量であれば問 題なく賄えるわけですね。てっきり、浅草あたりの専門店で、お気に入りの ものをじっくり選んで買っているのだと思っていました。これまた意外。 私は落語会で最前列真ん中に座ることが多いのですが、そこからだと扇子 を開いたときに書いてある名前が読めたりします。 Q3.高座で使用する扇子のデザインなどに決まりはありますか? − 特に決まりはありませんが、白の無地のものを使っています − 三遊亭一門の体の大きな師匠(ヒント:「武」)の扇子は ふたまわりでかいです − ほっそりしているのが好きです − 上方の方は大きめのものを使用しているような気がします − 大阪のある一門では踊り用の扇子を使用していて、毎年年初に 新しいものを師匠からいただくようです Q4.扇子は常時何本持ち歩いていますか? − 一本きりです。忘れた場合は借ります。 私が楽屋係をしている某落語会では、だいたい複数の扇子をこれまた複数 の手ぬぐいの上においてスタンバイされる姿をよく見ていましたので、やや 意外でした。 Q5.扇子に関するエピソードがありましたら教えてください。 − 高座で噺の途中に扇子がバラバラに壊れたことがあります − 三平師匠の襲名披露で配られた扇子は、バカボンパパと ハジメちゃんがそれぞれ描かれた二本組のものでした。 扇子を使ってやる仕草の代表として、戸袋を叩く振りに合わせて、扇子で 床を叩く(突く)のがありますよね。 普通は扇子の上の方を持って、持ち手、柄の方で床を突きますが、馬生師 匠の一門ではこれが逆で、しかもわずかに開いた感じで、扇子の先の方で座 布団と高座の境目あたりを叩きます。わずかに開いているのは、風が当たる 感じを加えるためだそうです。 これが古今亭一門のやり方かと確認してみたところ、そうではないようで した。 今回の聞き取りによって、噺家さんたちは扇子に対する執着や思い入れは あまりなく、実に淡々と接していることが分かりました。 皆さんも演者の扇子に注目してみてください。 ⇒《告知》───────────────────────────── ■第3回 落語会の開催決定!! 我が落語探偵団の「第3回 調査報告会という名の落語会」の開催が決まりま した。 9月24日(土)18:00開演 落語協会2F(黒門亭)にて開催いたします。 ちなみに木戸銭は予約1,500円、当日2,000円です。 チケットの予約は探偵団Webサイト(https://rakugo-tanteidan.jp/)にて受 け付けております。 今回の出演者は古今亭駒次と柳家ほたるが当番となって、担当した探偵団の ミッションについての落語と調査報告を行います。 ・古今亭駒次「<演目未定>」〜電車で巡る、落語の舞台〜 ・柳家ほたる「<演目未定>」〜落語の心霊ポイントを検証せよ!〜 是非足をお運びください。 -------------------------------------------------------------------- ■編集後記 私が今夏持ち歩いて使用している扇子には、私が知らない講談の師匠らし き人の名前が書かれています。もらったものであるのは確かですが、どこで 誰からもらったものだか全く覚えていません。けどしっかりした作りのもの で重宝しています。 -------------------------------------------------------------------- ※このメルマガの購読を解除したい場合は、このメルマガに返信でその旨を お伝え下さい。 ==================================================================== ○メールマガジン:落語探偵団通信 ○発行人:秀島ヒロノリ E-Mail:magazine@rakugo-tanteidan.jp Home Page:https://rakugo-tanteidan.jp/ -------------------------------------------------------------------- |