#009 江戸時代の撮影セット村を探索!(その4)
やはり気になる長屋の中身 |
ここでせっかくなんで、長屋について資料を元にその様子をレポートします。
まず、八っつあんや熊さん等が住んでいた長屋を九尺二間(間口が9尺:2.7メートル、奥行が2間:3.6メートル)というスタンダードな長屋と想定した場合、
店賃は500文(今の貨幣価値だと約1.25万円)
専有面積3坪(10平米)
居間が4.5畳、台所が1.5畳
台所にはへっつい(かまど)と流しに水瓶
というのがよくある長屋の概要です。
やや収入の多い職人となると、これよりもやや広いところに住んでいたようで、「大工調べ」に出てくる与太郎の場合、ためた店賃から判断するに、ひと月の店賃は800文(約2万円)。
大工の場合、このぐらいの費用は軽く1日ちょっとの働きで稼ぎだしていたようです。
火事で燃えることが多かったので、かなり安普請な作りである一方、火事の度に大工の需要はあったためですね。
長屋の中身はこんな感じだったようです。
(こちらの居間は3畳タイプ)
写真は当時の建物を当時の工法に基づいて再現したものです。
時代劇などで夜の室内シーンが登場したりしますが、当時の灯りを考えるとあんなに明るいのは嘘です。
当時は油代も高かったので、早寝早起きが当たり前だったわけですね。
そして仏壇はこんな感じ。
かなりコンパクト。
「粗忽の釘」に仏壇が出てきますが、みなさんは座敷にある半間幅程度の大きな仏壇をイメージしたりしていませんでしたか?。
ところが実際は、長屋は狭いですから、そんな大きな仏壇を置く場所なんてありません。
隣の家の仏壇に釘が通り抜けたというのは、このサイズの仏壇ということですね。
ですから、今度からはこのサイズの仏壇をイメージしてください。
(このページの写真は「深川江戸資料館」)
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■今回の調査のまとめ
私は前回の調査でなめくじ長屋を調べに行ったので、結果的に今回はその続編ですね。
やっぱり近頃の住宅と比べると当時の長屋は、隙間風が入ってきたり、壁は薄いし、と不便な事もあったでしょうが、
隣近所の住人と助け合ったり、ときには喧嘩しながら温かく暮らしていたんだろうなぁ・・・とホッコリしました。
落語の世界を描く上でとても貴重な体験でした。
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以上により、今回のミッション完了!!
第5回「調査報告会=落語会」では、
長屋噺を口演します。
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