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ミッション
#001
「時そば」のメニューを探せ!
#002
「なめくじ長屋」を探せ!
#003
人力車を引いて「反対俥」の稽古!
#004
電車で巡る 落語スポット!
#005
高尾山で天狗の軌跡を追え!
#006
落語の心霊スポットめぐり!
#007
「茶の湯」を再現!飲めるか?
#008
「ねぎま鍋」を再現!美味いのか?
#009
江戸時代の撮影セット村を探索!
#010
「妾馬」の謎を追え!
#011
江戸時代の罪と罰条を調査

#011 江戸時代の罪と罰条を調査(その4)

「締め込み」の泥棒の罰条は?
「締め込み」の泥棒は未遂犯です。
しかし、公事方御定書には「未遂犯も罰する」旨記載されています。
私が口演する「締め込み」に出てくる、泥棒が盗みかけたものの一覧は次のとおりです。
  • 羽織
  • 着物(しま)
  • 半纏
  • 帯(男物)
  • 帯(女物)
  • 被害額は、やや多めにみても、一分(いちぶ・一両の四分の一:二万五千円相当)
    実際には、二朱(にしゅ・一分の二分の一:一万二千五百円相当)ぐらいかと思います。

    おそらく、この泥棒は初犯だっと思います。
    そこで、罰条としては、
      空巣・・・・重敲きの上入墨
    が相当だと思います。

    十両以上盗めば死罪になることは広く知られたようで、被害にあった商家では犯人が捕まり死罪になれば「目覚めが悪い」として、被害額を十両未満として届けることもあったそうです。
    「どうしてくりょうさんぶにしゅ(九両三分二朱)」

    金額の多寡に関係なく窃盗でも三回捕まれば死罪になりました。
    そんな中でも、白昼の空き巣は被害者にも落ち度があったとして減刑され、三回捕まっても死罪にはならなかったそうです。

    どうして落語には重犯罪がないのか?
    さて、私が最初に掲げた疑問への回答です。
    江戸時代は犯罪に対する刑罰が非常に重く、またその刑罰が非情で残虐なものでした。
    落語は笑いを中心に、時に涙を誘う、娯楽の伝統芸能です。
    そこに残虐な仕置きは相容れないものですし、噺として仕置きの場面を避けたにしても、その先に残虐な仕置が控えているような犯罪噺では、娯楽の大義を大きく損なってしまいます。
    その結果として、落語に出てくる泥棒はいずれもドジで未遂に終わるような噺ばっかりなのだと、この博物館の展示を見て、改めてそう感じました。


    ※スタッフコメント
    博物館の中にはいろいろと刑罰に関する装置や当時の絵や写真の展示があり、写真も撮って来ましたが、あまりにもリアルで、落語という観点から考えれば、そこまでは必要がないと判断し、これら写真や情報の掲載は割愛しました。


    明治大学博物館
    〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1 アカデミーコモン地階
    入場無料
    日曜、祝日、大学の定める休日は基本休館です。

    ■今回の調査のまとめ

    ・落語の中に出てくる泥棒は間抜けで可愛い。


    以上により、今回のミッション完了!!

    第6回「調査報告会=落語会」では、
    「締め込み」を口演しました。