#011 江戸時代の罪と罰条を調査(その1)
時代劇から落語の謎へ | |
時代劇について考えながら、ふと思うこと。 「遠山の金さん」でも「大岡越前」でも良い。 これらに限らず、時代劇では毎週(再放送なら毎日)必ず誰かが刀で切られて死んでいる。 そんなに物騒な街だったのだろうか? お裁きのシーンでは、「市中引き回しの上、磔獄門」なんて言葉が出てくる。 何だかとても凄そうな気はするが、それほどよくは分かっていない。 言葉のインパクトから記憶に刷り込まれているが、時代劇のお白州の場で、どの位の頻度でこの重罰が言い渡されていたのかは、あいにく覚えていない。 「磔」と「獄門」はそもそも別なのらしい。 落語にはお白州が出てくる噺がいくつかある。 「大工調べ」、「天狗裁き」、「佐々木政談」、「鹿政談」、「三方一両損」、「小間物屋政談」、「五貫裁き」、「帯久」などなど。 いずれも情け深い御奉行様の裁決が下る。 逆に酷い刑罰を与えるような噺は、とんと思い当たらない。 現代人はそうそう裁判所になんか行くものではない。 それから比較すると、お裁きが登場する落語の演目の比率は高過ぎないか?。 ついでに、泥棒をはじめ、いろいろな悪人が登場する噺も数多くあるが、どこか間が抜けていて、首尾良く悪事を成功させる噺も、とんと思い当たらない。 このあたりの事情を知るためには、一度江戸時代の刑罰について調べる必要がありそうだ。 それに対して江戸の街の人々がどういう感情を持っていたのかを考えれば、これら噺の背景にある人々の心理が分かるかもしれない。 | |
粋歌レポート編へ続く・・・・・> |