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#009
江戸時代の撮影セット村を探索!
#010
「妾馬」の謎を追え!
#011
江戸時代の罪と罰条を調査

#010 「妾馬」の謎を追え!(その4)


いよいよ「妾馬」疑問に迫る!
それでは、「妾馬」に関する謎解きです。
Q1.何故「めかけうま」ではなく、「めかうま」と呼ぶのですか?
A1. これは正直、分かりません。
周りでも誰も分かる人はいませんでした。
演目はそもそも符丁ですから、楽屋でその方が呼びやすかったから、という理由ではないでしょうか?
Q2.後半の部分はどのような噺ですか?
A2. この演目に「馬」という文字が登場する理由は、後半部分に隠されていて、
1)侍に召し抱えられて、殿が妾のように大事にしていた馬を賜ったから、というのと
2)馬に乗って出かける際に不慣れで、馬を乗りこなせず、周りからの「どこに行くのか?」という問いに…(「鰻屋」と同じ)というサゲがあります。
また、
3)侍に召し抱えられて、馬屋番になった、という説もあります。
Q3.「八五郎出世」とどう違うのですか?
A3. この演目はご承知の通り、後半部分がほとんど口演されません。
(後半部分の存在すら知らない人もいるようです)
このため、「妾馬」では分かりにくいという配慮からか、圓生師匠は後年「八五郎出世」として口演していたようです。
また、公共放送にて放送するにあたり、「妾」というのが都合が悪いということで、「八五郎出世」と紹介したとの話があります。
前半部分に敢えて演目を付けたのが「八五郎出世」と考えられます。
Q4.後半部のサゲからさらに先の後日談があるようですが?
A4. 八五郎は結局侍の生活になじめずに、大工に戻ったという言い伝えがあります。
その際には、たくさんの金を殿様より頂いたようです。
「おもこもこ頂戴」ってやつですね。

どうして後半が演じられないのか?
「妾馬」の後半部分ですが、前半部分の最後で赤井御門守により、八五郎は侍に召抱えられます。
武士ですので、名前をもらって、その名を石垣杢蔵左衛門蟹成(いしがき もくぞうざえもん かになり)と名乗ります。
この名前は歩く格好が蟹のようだったとの例えですので、相当のガニ股だったのでしょか?。
与えられた俸禄は50石。現在の価値に直すと、年収:600万円といった感じです。

しかし、八五郎は途端に威張りちらして、かつての友人らと会っても煙たがられてしまい、前半部分の宴席で見せた妹思いの人情家ぶりはありません。
むしろこんな八五郎だったら、昔のままの彼の方が良かったと誰もが思うような有様です。

こんな八五郎を見せてしまうことで前半部分も含めて、せっかくの感動が台無しになるようなら、それ以前でおしまいにした方が良いとの考えで、後半部分をやる人が少なくなったのだと思います。

そして、さらなる後日談で、八五郎が侍を辞め、大工に戻って棟梁にまでなる話が作られたのも、八五郎の侍ぶりが看過できない人々の愛情から出た、彼へのメッセージだったと思います。

■今回の調査のまとめ
完成されていると思った噺でも、ふと考えてみると不思議なことがたくさんある
このような点は今後新作落語を作る時にも役立てたい

以上により、今回のミッション完了!!

第5回「調査報告会=落語会」では、
「妾馬」を口演しました。